『介護士の高齢者虐待に想うこと』〜自分もいつか加害者になるかも・・〜

介護ニュース
ピョン太
ピョン太

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厚生労働省が24日に高齢者に対する虐待の状況の調査結果を公表しました

昨年度介護職員が加害者となったケースの相談・通報件数は、前年度より170件少ない2097件。2009年度以来11年ぶりの減少。実際に虐待が認められた件数も前年度より49件少ない595件。こちらは2006年度の調査開始以来、初の減少

要因として、虐待防止に向けた取り組みの成果やコロナ禍でご家族さんが面会出来ないことにより通報件数が減ったことが挙げられていました

個人的には虐待が減っているという実感はありませんし、介護職員の声をしっかりと反映されたものなのか疑問にも感じます

介護業務の負担は増すばかりで焦りや不安は常に付きまとっています。入居者さんから暴力や暴言を受ける事も珍しいことではありません

自分もいつか加害者側に回ってしまうんじゃないかと思うこともあります・・

虐待に該当するとは思わず、知らず知らずの内に日常的になっている事案もあります

施設介護はチームケアが基本です。自分だけが頑張っていても効果は薄いですし、自分は虐待していないから大丈夫というわけでもありません

虐待防止にはホーム全体が一丸となって取り組む必要があります

虐待の種類

まず虐待には5つの種類があります

身体的虐待・・暴力行為、無理矢理食事を口に入れるetc

心理的虐待・・威圧的な態度や無視などで精神的な苦痛を与える

性的虐待・・プライバシーへの配慮を欠いたケアetc

経済的虐待・・年金や預貯金などを同意なしに使うetc

ネグレクト・・食事や水分を提供しない、排泄介助をしないetc

①身体的虐待

よくニュースなどで話題になるのは身体的虐待だと思います。

原因不明の骨折だったり、明らかにおかしな所に内出血がある、又は、複数の内出血があるなどです。虐待の中でも、身体的虐待の割合が一番高い傾向にあります

ただ無理矢理食事を口に入れるという所は線引きが難しく、どの施設でも該当しそうなスタッフがいるのではないでしょうか

時間に焦っていたりとか、食の細い方に少しでも召し上がって頂こうという思いが強すぎてしまったりなどのケースがあります

口をつぐんで全然召し上がってくださらない入居者さんもいらっしゃるので、じゃあお気持ちを尊重して止めようとなると、今度はネグレクトになりかねません。

当事者は悪気なくやっていても、第三者から見れば「それは虐待じゃないのか」ということは往々にしてあります

②心理的虐待

心理的虐待も線引きが難しいです

怒鳴るや罵るはあからさまで、誰かの目に留まることもあるでしょう

入居者さんを意図的に無視するというのは、どうでしょうか?

認知症状であったり、その方の元々のご性格などありますが、頻繁にスタッフを呼ばれる入居者さんもよくいらっしゃると思います

その方に対して無視したり「ちょっと、待って」を繰り返すのも虐待になります

私自身も食後の誘導など一人づつしかご案内できませんから、ついつい使ってしまいます。「◯分後にご案内しますね」と具体的に時間をお伝えするように心がけてはいますが、それでも微妙ですよね

朝食後や夕食後の誘導などではスタッフの数も少なくなります

ゆっくりお話を伺ったりしたい気持ちはありますが、他のご入居者さんのお手伝いもありますので長く時間はかけられない。そういう所にジレンマを感じストレスになっていきます

入居者さんの呼び方にしても、あだ名や呼び捨てをしていないでしょうか

スタッフによっては「信頼関係が出来ているから」「あだ名の方が親近感がある」と言う人がいますが、本当にそうでしょうか?

私も◯◯様と呼ぶのは、ちょっとよそよそしいかとは思います

ただ人生の大先輩である目上の方に、あだ名や呼び捨ては違うと思います。自分の親がそういう風に呼ばれていて『信頼関係が出来ているんだな』とは思わないですね

むしろ、ここの接遇は大丈なのかと心配になります

友達のような感覚になると、段々とお手伝いしてあげているという上から目線のスタンスになり、サービスの質も低下していく可能性があります

そして新人のスタッフもそんな先輩の態度を見て真似をします

介護の常識は世間の非常識という言葉があるくらいなので、節度はわきまえた方がいいです

③性的虐待

入居者さんを裸にして放置したり、キスをしたりといった行為が該当します

私は15年くらい介護施設に勤めていますが、社内で上記のような事案が発生したことはないです

これは虐待扱いになるとは思わなかったというレベルでは無いですから

ところでプライバシーの配慮は出来ているでしょうか

ところでプライバシーの配慮は出来ているでしょうか?

例えば居室のベッドで排泄介助をする時に、窓のカーテンは閉めていますか?

向かいの家から見えていませんか?

これも私自身、経験があります

業務をこなすのに精一杯でいつの間にかカーテンを閉めるのを忘れて、それが当たり前になっていきました

ある時に新人スタッフのOJTをしていて、そのスタッフから「あ、カーテン開いたままですよ」と言われてハッとしたことがあります

そのスタッフは私がたまたま閉め忘れたと思ったようですが、私の中ではもうカーテンを閉めるという概念が抜け落ちていたのです

言い訳すると担当フロアが4階の担当だったので、周りの家から見えることはなかったです

ただフロアが異動になってカーテンを閉めないと見えてしまう可能性があったとしても、私がカーテンをちゃんと閉めていたか自信がないです

守るべきことは習慣化しないと、それが当たり前になってしまうと痛感した出来事でした

④経済的虐待

誰が見ても犯罪ですね

ケアマネージャーが利用者からお金を借りていたという話を聞いたことはありますが、身近で起きたことはないです

どちらかと言うと、物取られの被害妄想がある方の対応に苦労することが多いイメージ

⑤ネグレクト

介護の放棄や放任

入浴してなくて異臭がする、食事や水分を十分に提供していない、室内にゴミが散乱している等が該当します

入浴が嫌いなご入居者さんはいますし、食事介助を拒否される入居者さんもいますし、室内が散乱しているようだけど入居者さんのこだわりがあって掃除が難しい場合もあります

「食事を食べさせないといけない」「入浴させないといけない」という思いが強いと、お誘いから強要に変わってきます

掃除にしても放置はいけませんが、その方の居住スペースですから安全ばかりに囚われ過ぎてその方らしさがなくなってしまわないようにする必要があります

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虐待防止の取り組み

次にどのように虐待を防止していくかですが、定期的に自分自身のケアを振り返りの場はあった方がいいと思います

客観的に自分の行動を振り返るのと同時に、孤立したり悩みを抱えているスタッフがいないかを確認します

例えば虐待の芽チェックリストといったものがあります

大切なのは不適切なケアをしたスタッフを責めるのではなく、背景を共有して今後にどう活かすかが重要です

次にアンケートを元にして、対応策をリーダー会議だったり虐待防止委員会などで検討します

例えば入浴の拒否が続いているのであれば、スタッフを変えてみる・時間を替えてみる・ご家族さんに自宅での入浴のご様子を聞いてみるなど意見が出てくるかもしれません

入浴された時のタイミングやご様子・声かけの仕方などを共有して、スタッフ間で統一してやってみるのもいいと思います

成功が続けば良し、そうでなければまた次のことをチャレンジするの繰り返しです

成果がすぐに出ないこともあります。でも解決に向けて行動していることが大事です

何もしていないと「今後もこれがずっと続くのか」とげんなりした気持ちになりますが、行動していれば「いつか、その人に合ったケア方法が見つかるかも」とポジティブな気持ちになります

けっこう「こうやると、いいよ」という情報や経験をスタッフそれぞれが持っていることが多くあるので、こういった場で共有することにより悩みが解決することもあります

正にチームケアです❗️

併せて認知症(BPSD)などの研修や勉強会で理解を深めていきます

後は業務スケジュールの見直しも間接的に虐待防止に繋がると思います

介護施設の業務量は年々増えていっているというのが、私の印象です

転倒事故などちょっとでもアクシデントがあると、取り返すのが難しいのが現状

そうすると気持ちに余裕がなくなり、焦りが生まれ、虐待行為に繋がっていきます

定期的に業務プログラムを見直して、シフト毎に業務負担の偏りがないかや削れるものがないか確認することも大事だと思います

最後に

新規の入居者さんを受け入れる時には、本当にホームで対応できるのか見極めた方がいいと思います

これは私がただの一スタッフで、経営面に疎いから言えることかもしれません

介護施設はボランティアで運営しているわけではないので、入居率を上げることは大事なことだと思います

ご家族さんの切羽詰まった状況を伺うと何とかしたいと言う気持ちにもなります

無理と決めつけるのではなく、どうやったら受け入れできるか考えるべきだと思っています

それでもホームにもキャパシティーがあるので、来るもの拒まずの姿勢でいると無理がきます

それは新しい入居者さんにとっても、既存の入居者さんにとっても、スタッフにとっても不幸な結果になります

受け入れの担当者は、しっかりと現場のスタッフや専門職と意見をすり合わせてほしいです

こんな現状ですから人員配置基準を4:1に見直しするとか、私には正気の沙汰とは思えない

虐待を減らすためには個人のスキルアップだけでは解決しないのですから

最後まで読んでいただき、ありがとうございました

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