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「新しいスタッフが入っても数ヶ月で辞めてしまう」
「早期退職を減らす対策を知りたい」
この記事はそんな方のために書きました
僕は10年くらい有料老人ホームでサービスリーダーの役職につき、多くの新人スタッフのOJTに関わってきました。介護業界は人手不足が常態化していますが、僕のいた施設も例外ではありません
せっかく新しいスタッフが入社しても3ヶ月以内という早期で退職されてしまうことも珍しくありませんでした。退職の申し出があったスタッフとは必ず面談して経緯を確認するのですが、そこで明確にわかったことが一つあります
安心して働けない
新人スッタフが辞めたいと思ったキッカケの根底には、このような不安があるということ。早期退職であれば尚更この傾向が強かったです
どうやったら新人のスタッフさんが安心してノビノビ働けるか。考えた末に退職削減の一環で導入したのがプリセプター制度です
この記事では
言いがちな新人スタッフへのNGワード プリセプター制度 |
これらについて紹介・解説していきます
大変な思いをしながら新人スタッフのOJTをしてようやく独り立ちさせたのに辞めてしまう。また新しいスタッフが来て苦労してOJTしたけど、また辞めてしまう・・
そんな負のOJTスパイラルに悩んでる方に読んでほしいです
介護業界の現状
まず先に現在の介護業界の現状について整理しておきます
公益財団法人介護労働安定センターが2020年に実施した調査結果では、訪問介護員と介護職員の2職種の離職率は14.9%で過去最低ではありました
一方で勤続3年目未満での退職率は61.2%になります
ちなみに採用率は16.2%で前年度から2%悪化しました
つまり介護をやりたいと思う人が減り、せっかく入社しても3年以内に辞めてしまっているということ
この問題は深刻で日本は2030年に超高齢化社会に突入するといわれています。労働人口が減り、日本人の3人に1人以上が65才以上の高齢者になる
今の状態が続けば介護を受けたいのに受けられない方が急増する可能性があるのです
この問題に対して賃上げなど待遇面を向上させて介護職のなりてを増やすのも一つの手段ですが、それよりも大事なのは今まさに介護の現場で働いているスタッフを辞めようと思わせない環境を作ること
今のうちから新人スタッフの教育(OJT)を見直していかないと、将来必ずそのツケを払うことになります
次の項目では新人スタッフとの関わり方について振り返っていきます
ついつい言っていませんか!?新人スタッフへのNGワード
まだ終わらないの? 早くして 今さら? 前にも言ったよね? |
これらの言葉は僕が新卒の頃に、実際に先輩スタッフから言われたことがある言葉
介護スタッフは排泄や食事介助、入浴やバイタル測定など業務がたくさんあります。新人スタッフが入居者さんの対応に時間がかかっているとイライラして、ついつい言ってしまってはいませんか?
「まだ終わらないの?」「早くして」 と何度か言われて僕がどう感じ、どのように行動していたかというと
早く終わらせないと・・
と、焦りが生まれます
ベッド上でパット交換をするときにベッドの高さを上げるのも惜しくなり、負担のかかる体勢でケアをして腰を痛める
移乗の際に入居者さんの動作を待てずに強引なケアになり、食事介助の場面では次から次へ口に入れてしまっていました
入居者さんに話しかけられても「ちょっと、待って」を乱発するようになる
とにかく何でも早くケアを終わらせられるスタッフが、優秀なスタッフと思うようになっていました
同時に
入居者さんではなく、先輩スタッフの顔色ばかりを気にするようになっていました
それが間違いだったと気づくまでには、けっこう時間がかかりましたね😓
もちろん自分の考えが未熟だったことが一番の原因です
でもそういうことを経験したからこそ、僕は新人スタッフには「ゆっくりで大丈夫ですよ」「安全第一でいきましょう」と伝えるようにしています
次に
「今さら?」「前にも言ったよね」は、どうでしょうか?
これを言われると、次に質問するのが超絶ハードルが高くなる
何か疑問があっても「これは聞いても大丈夫なのかな」と考えてしまい、疑問を疑問のままにしてケアをすることになりかねない
ただでさえ不安を抱えながら仕事しているのに、ますます精神的負担がかかってしまいます
それにOJTでは入居者さんの情報や業務内容をこれでもかと詰め込まれるので、一回教えられただけで覚え切るのは不可能に近い
これは僕の体験談ではありますが、実際に同じようなことを言われて怒りや不安を感じたスタッフはたくさんいます
そして、このような心ない言葉をかけてしまうスタッフもたくさんいる
そういうスタッフに限って「人がいなくて大変」「すぐに辞めてしまう」と愚痴ってる💢
新人スタッフは甘やかせと言っているわけではありません
ただ新人スタッフが辞めるとOJTを一からしないといけないし、コストもかかります
ついつい言ってしまった言葉が後に自分を苦しめることになるかもしれないのですから、言葉選びは慎重にしていきたいものです
それを先輩スタッフ全員ができるようになれば、新人スタッフにとって安心して働ける環境に近づいていける
「自分はできてる」ではなく「全員ができてる」じゃないと意味がない
プリセプター制度の導入
「スタッフによって言うことが違う」
「どっちのスタッフの言うことを信じたらいいんだろう」
これも新人スタッフのあるあるな悩みです
介護施設では『何時になったら、〇〇をする』みたいな業務スケジュールがあるものですが、入居者さんはロボットではありませんからスケジュールなんて、あってないようなものです
発熱した・・ 転倒されているところを発見した・・ 入居者さんの話が長くて一旦切り上げたいが、タイミングがわからない・・ ズボンまで汚れてしまっていた・・ |
介護の現場は予定外の連続ですから、優先順位をつけながら臨機応変に対応することが求められます
ただこの優先順位や臨機応変で考えることというのは、スタッフによって違うことがよくある
全ての状況に対して、あーするこーするなんて決めきれませんから指導する側からしたら難しいところです
ただ教えられる側からしたら「どっちのスタッフが正しいんだろう?」「年配スタッフの顔を立てた方がいいのかな?」と悩むことになりがち
他にもOJT担当者がコロコロ変わることで指導漏れが起きて教えてもらっていないことを頼まれて困ったり、質問したいときに誰に聞いたらいいかわからなかったり・・
新人スタッフの悩みは尽きません (・Д・)
そこで提案したいのがプリセプター制度の導入です
プリセプターとは主に病院で採用されている教育制度です
先輩看護師(プリセプター)がOJT期間中、新人スタッフ(プリセプティ)に対してマンツーマンで指導します
プリセプター制度のメリットは
(プリセプター側)
①新人スタッフが何ができて何につまづいているのか、何を教えていて何がまだなのかを正確に把握できる ②教えることで知識や技術を再確認できる |
(プリセプティ側)
①同じスタッフが指導するので方向性が一貫している ②新人スタッフが困った時に誰に聞けばいいか明確になる ③「スタッフによって言ってることが違う」ことで悩む率が減る ④技術を習得しやすい |
介護施設でのプリセプター
新人スタッフ・教育する側のスタッフ双方にメリットのあるプリセプター制度ですが問題もあります
介護施設では早番・日勤・遅番・夜勤・明けのシフトが基本で、その他にも時間が少し違うシフトもあったりします
7:00〜早A、7:30〜早B みたいな感じですね
これだけのシフトを全て一緒に入るのはかなり厳しく、希望休の兼ね合いもありますし、プリセプター役のスタッフにも夜勤があったりしますから
実際に僕がいたホームでは、担当のプリセプターに全シフトをついてもらうことはできませんでした
なのでプリセプターは2人選任しておくといいです
本当は1人が望ましいのですが2人までなら連携や相談もしやすいし、ほぼ必ず新人スタッフが出勤の日はプリセプターがいれるようにできる
個人的にはプリセプター2人のうち、1人は適正にもよりますが勤務年数が浅いスタッフが良いと思っていて、これはベテランスタッフよりも新人スタッフに対してより共感できるからです
入居者さんの対応で悪戦苦闘していても「私もそうだったよ」と言ってもらえるだけでも安心するもの
年数の浅いスタッフの方が話しかけやすかったりもします(^ω^)
また業務の終わりには必ず振り返りの場を設けましょう
その日の疑問はその日のうちに
もちろん勤務時間内にです
まとめ
人手不足が問題となっている介護業界ですが、新人スタッフが安心して働ける環境づくりから始めてみてはいかがでしょうか⁉️
⭐️NGワードの撲滅 ⭐️プリセプターの導入 |
また辞めていったスタッフの原因をしっかりと聞き取りし、深掘りするのも大切です
- 家庭の事情などやむを得ないものなのか
- 介護技術が未熟で体を痛めてしまったのか
- 入居者さんやスタッフとの人間関係なのか
原因がわからないと対策も立てられませんから
今回の記事がスタッフの定着の一助となれば幸いです
最後まで読んでいただき、ありがとうございました
良かったら他の記事も読んでくれたら嬉しいです
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