介護に役立つ本の紹介6〜ボクはやっと認知症のことがわかった〜

介護に役立つ本
ピョン太
ピョン太

※この記事では内容に広告・プロモーションを含みます

介護に関する本の紹介企画の第6弾

今回紹介するのは

長谷川和夫さんが著者の『ボクはやっと認知症のことがわかった』

介護の仕事をしていたら長谷川和夫さんという名前は知らなくても、『長谷川式簡易知能評価スケール』は多くの方がご存知なのではないでしょうか

「今日は何年の何月何日ですか?」

「100から7を順番に引いてください」

「知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください」

こららの質問に答えていただき30点満点中20点以下だと認知症の疑いがあります

そういう認知症かどうかの診断の物差しとして開発されたのが長谷川式簡易知能評価スケール

一般的には長谷川式と略されたりしていますが、このスケールを開発したのが精神科医であった長谷川和夫さん

そんな認知症の専門医である長谷川さんが認知症になられていたことがまず衝撃でした

同時に認知症の専門医が認知症になって何を感じているのか、今どんな景色が見えているのか知りたいと思いこの本を購入しました

今回はそんな『ボクはやっと認知症のことがわかった』の本の特徴や構成、印象に残ったフレーズを紹介します

レバウェル介護(旧:きらケア)

『ボクはやっと認知症のことがわかった』の特徴

著書は2019年12月発行

KADOKAWA出版で定価は1300円

全222ページ

構成は

1章 認知症になったボク

2章 認知症とは何か

3章 認知症になってわかったこと

4章 「長谷川式スケール」開発秘話

5章 認知症の歴史

6章 社会は、医療は何ができるか

7章 日本人に伝えたい遺言

長谷川式スケールを開発して公表したのが1974年

やまちん
やまちん

そんな昔に開発されていたことにビックリしました

認知症がまだ『痴呆』と呼ばれて偏見にさらされていた時代にスケールを開発していたのです

そして『痴呆』から『認知症」への呼称変更に関する国の検討委員も長谷川さんは務めていました

今の介護の礎を作った第一人者と言っても過言ではないでしょう

そんな長谷川さんですが2017年に認知症を公表しました

長谷川さんは嗜銀顆粒性(しぎんかりゅうせい)というタイプの認知症で、進行は緩やかで不安や焦燥・抑うつなどの症状が見られます

やまちん
やまちん

私は初耳

「自分は認知症かも・・」と思い始めたのは2016年頃で、自分の体験の『確かさ』がハッキリしなくなってきたと語られています

自分のやったこと、やらなかったことに対して確信が持てない。自宅を出たときにカギをかけたか不安になり、家に戻って確認したにも関わらず、それがまたあやふやになって、いつまでたっても確信が持てない

今日が何月何日何曜日かわからなくなる

1日では朝起きたときが一番調子がよくて、午後一時を過ぎると自分がどこにいるのか、何をしているのかがわからなくなってくる

認知症になりやりたいことが出来ないもどかしさや怒り、切なさが著書では赤裸々に綴られています

改めて認知症になると「毎日が不安でたまらないだろうな」と思うし、だからこそ介護士はその方のペースに合わせて寄り添うことが大切なのだと思う。自分の行動を振り返ってみると

やまちん
やまちん

あまり出来ていないな・・

また「認知症になってショックだったか」という質問に対して長谷川さんは

認知症になったのはしようがない。年をとったんだから。長生きすれば誰にでもなるのだから。それは当たり前のこと。ショックじゃなかったといえば嘘になるけど、なったものは仕方ない

と、長年にわたり認知症の方と関わってこられた専門医らしい考え方だなと私は思いました

そして

著書を読んで長谷川式スケールの開発当時の話や質問の意味・役割についても知ることができました

例えば「100から7を順番に引いてください」という質問

もしかしたら尋ね方を間違えている人もいるのではないでしょうか

この質問で検査をする側が見たいのは計算力だけではありません

その意味がわかっていれば尋ね方も変わる

ピョン太
ピョン太

気になる方はぜひ読んでみてください❗️

そして長谷川さんはスケールの検査を行う際は

プライドを傷つけるような質問をするわけですから、『お願いする』という姿勢を忘れないでほしい

検査だけで認知症と判断したり、重症度を決めたりするのは危険

とも話されています

レバウェル介護(旧:きらケア)

印象に残ったフレーズ

人は自分が次に何をするべきかわからなければ、不安になります。自分がその人の立場ならどうだろうかと考えて、次にすることをきちんと説明してあげる。これが重要です。周囲の人がそういう接し方をしてくれると、認知症の人はとても安心します。目線を同じにして、認知症の人の身になって考えてくれる人が多くなるとよいと思っています

(認知症になる)いちばん大きな危険因子は加齢ですが、人間誰しも、年をとるのを避けることはできません。そうだとすると、認知症の予防は、「一生ならない」ことよりも、いかに「なる時期を遅らせられるか」が重要になります

存在を無視されたり、軽く扱われたりしたときの悲しみや切なさは、誰もが大人になる過程で、そして大人になってからも、職場や家庭で多かれ少なかれ体験していることでしょう。そうしたつらい体験がもたらす苦痛や悲しみは、認知症であろうとなかろうと、同じです。何かを決めるときに、ボクたち抜きに物事を決めないでほしい。ボクたちを置いてきぼりにしないでほしいと思います

少し足を伸ばした未来は、やがて「いま」になります。いまがいちばん大切です。過去に起きてしまったことや、過去に自分がやったことは変えられないし、どうしようもない。でも、じつは過去というものは、ほんとうはないのです。過去とは、いま。なぜなら、昔のことを思い出したり、話したりしているのはいまなのだから

レバウェル介護(旧:きらケア)

最後に

どんなに頭がよくても、医者だろうと公務員だろうと、年を重ねれば認知症になる可能性は高まる

認知症は決して人ごとではない

いつか自分の両親が認知症になるかもしれない

自分自身が認知症になるかもしれない

介護業界では介護保険制度の見直しで要介護1と2の保険外しが話題になりましたが、それが将来自分たちがどれほど困ることになるのか世間には伝わっているのかな

TVのニュースでも話題になることは少なかったし、まだまだ認知症は他人事として捉えられているような気がします

認知症は誰もがなりうる

認知症について全く知らない人にこそ、この本は最も価値があるのだと読んでいて思いました

もちろん介護従事者にとっても学ぶことの多い一冊になっています

今回も素敵な本に出会えて感謝❗️

今回の記事が今年最後となります

いつも読んでいただきありがとうございました

ちょっと実家の岡山に帰省して、年明けからは過去の記事のリライトから始めようと思っています

1月中旬頃をめどに記事作成を開始しますので、今後ともよろしくお願いいたします

1年間ありがとうございました❗️

よいお年を ٩(^‿^)۶

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