『やらないんじゃなくて、できない』〜介護業界における同性介助の実態〜

介護施設関連
ピョン太
ピョン太

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ちょっと前に同性介助がX(旧Twitter)でトレンド入りしました。きっかけになったニュースはコチラから

望まない異性介助は性的虐待  Yahooニュース

障害者支援施設だろうと高齢者介護施設であっても同性介助は基本です。羞恥心に配慮が必要だし性犯罪なんて論外

僕を含めて介護業界で働く人たちのほぼ全員が同性介助が望ましいと思っていることでしょう

利用者や入居されている方が同性介助を希望するのも当然の気持ちだと思うし、僕も介護してもらうことになったら同性のほうが気兼ねしないですね

ただ

介護業界では同性介助が行えていないところが多いです。僕は今まで5つの介護施設で働いてきましたが、同性介助を徹底できている施設は一つもありませんでした

正確には同性介助を「やらない」のではなく「できない」のです

ピョン太
ピョン太

出来ないというのはですね、嘘つきの言葉なんですよ

やまちん
やまちん

どっかの居酒屋の会長みたいなセリフやめて・・

今回はそんな介護現場における同性介助について

これらを踏まえながら考察していきたいと思います

レバウェル介護(旧:きらケア)

介護業界の現状

同性介助について考える前に高齢者介護の現場の実情を整理しておこうと思います

公益財団法人介護労働安定センターの『令和4年度介護労働実態調査』によると、介護職員の男女比率は

介護業界は圧倒的に女性が多く、力仕事をカバーできる男性職員は渇望されています

ピョン太
ピョン太

ちなみに、これから介護が必要になってくる75歳以上人口の6割以上が女性

そして今後についてはさらに深刻で・・

2025年には団塊の世代が後期高齢者となり医療・福祉のニーズは増え、2030年には187万人という途方もない数の人手不足が発生すると言われています

というか

2024年の現時点ですでに人手不足は深刻化しており、それにより廃業となる事業所も出てきています

さらには厚生労働省の『雇用動向調査』で2022年の介護分野の就労者は−1.6%で約6万3000人減少していることが明らかになりました

介護が必要になる人が増えるの確定なのに肝心の担い手は減っているという衝撃 ( ゚д゚)

これからますます人手不足で施設運営をしていくこととなり、さらに介護業界から人が離れてしまう可能性があるというのが今の現状。施設や事業所の多くがシフトを作るのに四苦八苦しています

だから同性介助を『やらない』のではなく『できない』のです

障害者支援施設や生活介護における同性介助の割合

上記で介護業界の現状をお伝えしましたが、一方で障害者支援施設における同性介助の割合も見ていきましょう

なぜこれをお伝えするかというと、僕がこのデータを見てビックリしたからです

やまちん
やまちん

画像が見づらくてスミマセン💦

ご興味ある方はコチラを確認してください

令和4年度報酬改定検証調査

ピョン太
ピョン太

34ページ目に詳細があります

これによると入浴介助では9割、排泄介助でも8割近くで同性介助を行なっています

てっきり僕は障害者施設も介護施設と同じで同性介助がほとんどできていないんじゃないかと思っていました。利用されている方の年齢層が若いので高齢者介護以上に気を遣わないといけないとは思いますが・・・

障害者の分野では働いたことないし知り合いもいないのですが、どのような努力をしてこの数字を実現できたのか知りたいですね

そこに高齢者介護で同性介助を安定して行えるヒントがあるのかも

障害者支援施設で働かれている方がいましたら採用や人員配置など、どのような工夫をされているのか教えていただけると嬉しいです

ちなみに

介護施設の同性介助の割合についても調べてみたのですが、資料を見つけることはできませんでした

レバウェル介護(旧:きらケア)

介護施設の同性介助の限界

最初に述べましたが僕が今までいた働いてきた介護施設で同性介助を徹底していたところは、一つもありません。有料も特養も老健もです

自分の経験談では過去の一人だけ同性介助を希望する女性入居者さんがいて、その方だけ入浴においては女性スタッフが対応していましたが、排泄介助では男性スタッフも対応することがありました

それも月日が経つにつれ信頼関係もでき、入浴場面でも男性スタッフが対応するようになったくらいです。このように介護施設では

  • 個別で希望があったときのみ同性介助で対応する
  • 同性介助は入浴の場面に限る

これが今の介護業界でできる同性介助の手一杯だと思っているのですが、皆さんのいる介護施設ではいかがでしょうか

やまちん
やまちん

定員が50名を超える規模の介護施設で同性介助を行えているところがあるのかな

介護業界の同性介助について思うこと

介護業界で同性介助を徹底するにしても色々と問題はあります

例えば介護で同性介助にすべきセンシティブな場面の一つが入浴介助ですが、夏場など負担の大きい業務を女性スタッフが担うことが大幅に増えるでしょう

大柄な女性入居者さんだと女性スタッフ2名でも移乗など難しい場面があり、双方に思わぬ事故やケガにつながるリスクがあります

ピョン太
ピョン太

男性スタッフの力が必要な場面って多いよね

それに女性に対する同性介助ばかりに注目が集まっていますが、男性が希望したらどうするのでしょうか

介護職員の男女比率から考えると対応はほぼ不可能

男性は別にいいでしょ

とか言ってたら今度は男女差別になるし・・・

僕が今回のニュースで思ったことは

介護業界は圧倒的にマンパワーが足りてなくて、数年後には当たり前に支援や援助を受けられなくなってしまう可能性があることを理解してほしい

「同性介助にしてください」と言っても通用しない社会になってしまっているのです

それは介護士の責任ではないし、介護施設や事業所の責任でもない。ずっと人手不足の問題をほったらかしにしている国の責任です。性的虐待などと非難したりしていますが言う相手を間違えていませんか

レバウェル介護(旧:きらケア)

今後の介護業界の同性介助について

これから介護業界で同性介助を実現するための手段ですが

ハッキリ言って、わかりません!

僕には介護業界で同性介助を実現する未来が想像つかないですね

やまちん
やまちん

頑張って全自動入浴マシーンを開発するとか

ピョン太
ピョン太

介護の需要が高まれば今よりロボットの開発に力を入れる企業が出てくるかも

むしろ同性介助は難しいことをキチンと事前に説明し、現実的にどのような対応になるのかを伝える

そこで理解を得るのが難しいようであれば入居や利用を断るのがお互いのためではないでしょうか

どうしても同性介助を希望するなら個人で雇う

介護で同性介助を望むなら、それなりのお金を支払うのは覚悟しておくべきですね

最後に

僕たち介護職は専門職であり、多くは介護福祉士など国家資格をもったプロとして働いている

男の立場から言うと、さも女性入居者や利用者の立場を無視しているかのように偏向報道されて批判を受けるのは職業差別とも言えます

そういったツラい思いをしている介護士がいることは全く報じられないことには腹が立つ

つくづく介護士の立場って弱いんだな

皆さんのいる施設や事業所では同性介助ができていますか?今回のニュースで感じたことなどコメントしてくれたら嬉しいです

最後まで読んでいただき、ありがとうございました

よかったら他の記事も読んでくれたら嬉しいです

『なんくるないさ!介護職チャンネル』

YouTubeで介護についてのゆっくり解説を始めました

今はショートだけですが今後は10分くらいの動画も作っていきたいと思っていますので、ぜひ遊びにきてください!

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