『介護現場で最もリスクが高い服薬介助』 〜服薬介助での誤薬リスク対策8つのポイント〜

介護施設関連
ピョン太
ピョン太

※この記事では内容に広告・プロモーションを含みます

入居者さんのケアで一番リスクが高いお手伝いは何かと問われたら、皆さんは何て答えますか❓

やまちん
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入浴介助?

入居者さんが裸になりますし、床で滑るかもしれません。ちょっと目を離した隙に溺れているかもしれません

やまちん
やまちん

トイレ介助?

ズボンを下ろした時にバランスを崩したりして、骨折するケースがよくあります

やまちん
やまちん

食事介助?

誤嚥性肺炎に繋がったり詰まらせるリスクがありますから

もし僕が聞かれたら『服薬介助』と即答するでしょう。特に人まちがい誤薬命・信頼・職場 その全てを一瞬で奪ってしまう可能性がある

この記事では

これらについて紹介・解説していきます

「服薬介助なんて排泄や食事などと一緒でケアの一部でしょ」

「施設で誤薬がよく起きて対策に困ってる」

そんな方に向けた記事となっています

レバウェル介護(旧:きらケア)

服薬介助の怖さ〜人まちがい誤薬の実例〜

介護施設では薬の管理・内服は介護スタッフや看護師が行っていて、お薬を自己管理される入居者さんはほぼいません

そして入居されている方はほぼ全員なんらかの疾患を抱えていますので、お薬が処方されています

たまに入居者さん同士で病気自慢で盛り上がっていることがありますよね(^∇^)

介護スタッフは安全かつ確実にお薬の与薬を行うことも大切な役割。そして介護という仕事は失敗の連続ではありますが服薬介助は決して間違いが許されません

特に人まちがい誤薬は命に関わるリスクがあります

ここで僕がいた施設で実際に起きた人まちがい誤薬の実例を紹介します

Aさんは認知症状がありコミュニケーションを取るのは難しい方です

服薬を担当したスタッフは新卒でもうすぐ1年が経ち、ホームでの仕事にも慣れてきました

事故は、そのスタッフが夜勤明けの朝食で起きました

その日の早番が寝坊で遅刻・・

新卒スタッフは真面目な性格で業務が遅れてしまうことに焦りを感じていました

その時いたのは新卒スタッフと手伝いにきた夜勤ナースの2人

食事介助が落ち着き、服薬介助へ

Aさんに服薬介助をしようとしたのですが、眠気が強かったため一旦あきらめます

Bさんの服薬に行こうとすると、Aさんが目を覚ましていました

声かけに対して反応も良かったので、目が覚めてるうちに内服してもらおうと思いました

そして、Bさんのお薬をAさんに与薬してしまったのです・・

少し経ち服薬ケースにAさんのお薬が残っていて、Bさんのお薬がないことで人まちがい誤薬に気付きます

看護師・ホーム長・ご家族様に連絡し、すぐに救急搬送することになりました

搬送中にもAさんの顔色はどんどん青ざめていき、搬送に同行した職員は「もう、ダメかと思った」そうです

Bさんは血圧が高く降圧剤を飲んでいました

Aさんは普段から血圧が低く、高くても90台前半です

つまり血圧が低い方に血圧を下げる薬を与薬してしまったのです

幸いAさんはその日のうちに回復してホームに戻れることができました

ただご家族様のホームに対する信頼は一瞬で崩壊

寝坊してしまったスタッフも罪悪感にかられ

誤薬をしてしまったスタッフも泣いてご入居者さんとご家族様に謝罪し、その後退職してしまったのです
やまちん
やまちん

これは僕のホームだけの特別な事故でしょうか・・

服薬はその方の命を奪う可能性があるリスクが非常に高いケア。服薬の間違いは当人はもちろんですが、担当したスタッフも心に大きな傷が残る

入居者さんを守るためにも、スタッフを守るためにも、服薬方法のルール作りはとても重要なのです

服薬マニュアル作りの8つのポイント

介護施設それぞれで服薬のマニュアルはあると思います

もし何のマニュアルもなく、スタッフそれぞれが好きなように与薬しているのであれば見直したほうがいいでしょう

やまちん
やまちん

例え事故が起きていなかったとしても、それはたまたまです

マニュアルと聞くと毛嫌いする方もいますが、服薬介助に関してはマニュアルは必要不可欠と僕は思う。皆が統一してお手伝いすることで服薬事故を減らすことができるのです

服薬マニュアルのポイントですが

①配薬チェックは2名以上で確認する

薬局から薬が届いたら配薬ケースに薬をセットします

セットは看護師、服薬担当は介護スタッフというのが一般的ではないでしょうか

そのセットを担当した看護師とは別の人が、薬のセットが合っているか確認するようにします。主に入居者の名前と薬が合っているか、タイミング(朝・昼・夕・寝る前)が合っているかなど

人間ですから間違うこともありますから、複数の目で間違いがないかチェックすることが重要

②服薬担当者を決める

これは誰が服薬を担当したのか明確にするという意味もありますが、それ以上に服薬担当者が内服に集中させてあげるのが目的です

食事中に入居者さんが立ち上がってトイレに行こうとされたり、声をかけられたりと言い方が悪いですが服薬介助中でも雑音が多くあります

それが服薬事故につながることが往々にしてある

なので服薬担当者を決めて、それ以外のスタッフが入居者さんの対応をすることで服薬担当者が内服に集中できる環境をつくるのです

③明けのスタッフは服薬をしない

夜勤明けのスタッフが服薬を担当していませんか❓

明けのスタッフは疲労や眠気で判断力が低下しています

朝食の服薬は早番スタッフなどが対応できるように調整しましょう

④新人スタッフに服薬を担当させない

入居者さんのフルネームと顔が完全に一致していない状態で服薬の担当を任せるのは危険です。苗字が一緒の場合もありますから

特に新人スタッフには酷。勤務は服薬業務に関わらないシフトからスタートしましょう

入居者さんのフルネームと顔が完全に一致しているか確認して、その上で服薬マニュアルを理解してもらってから始めるようにしてください。服薬介助はそれくらいの慎重さが必要なケアです

⑤薬の封は本人の前で開封する

お薬の内服時にトロミやお薬飲めたねゼリーを使用することがあります

もし事前に薬の封を開けてトロミをつけてから入居者さんの所に移動しているとしたら、人まちがい誤薬のリスクが非常に高くなります

それは思い込みによる人まちがい誤薬

事例で紹介したように自分はAさんの薬包を取ったつもりでも実はBさんの薬包を持っていて、AさんにBさんの薬を内服させてしまうというもの

介護施設ではこのような思い込みによる人まちがい誤薬が意外と多いです

やまちん
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思い込みはホント怖い

思い込みの対策としては

本人の前でお薬の名前とタイミングの印字を読み上げて、可能なら本人にもお薬の封を確認してもらってから与薬をするようにしましょう。そうすれば思い込みによる事故は大幅に減らすことができます

⑥内服後は空袋の確認をする

これは飲み忘れ事故を防ぐためです

お薬によっては非常に小さい錠剤タイプもあり、袋に薬が残っていることに気づかず後で残薬チェックをして発見することが時々あります

内服後に空袋を手でなぞるなどして、お薬が残っていないか確認する癖をつけましょう

⑦服薬マニュアルが守られているか確認する

これらマニュアルがあったとしても、それを全員ができていないと意味がありません

僕の経験上では勤務年数が少ないスタッフほどルールを守り、勤務年数が長いスタッフほどマニュアルを省きがちです

服薬マニュアルが守られているか定期的に抜き打ちチェックするようにしましょう

⑧服薬方法の見直し

錠剤だけど嚥下機能が低下していて粉薬に変更したい

ご自身で内服されているけど、スタッフがお手伝いしたほうがいいのではないかetc

服薬介助しているとお手伝いの見直しが必要な場面も出てきます

できれば毎月、もしくは2〜3ヶ月に1回は服薬方法の見直しをできる場を持つようにしていきましょう。今後のリスクを予測してお手伝い方法を見直すことで思わぬ事故を防ぐことができます

レバウェル介護(旧:きらケア)

まとめ

配薬チェックは2名以上で確認する
②服薬担当者を決める
③明けのスタッフは服薬をしない
④新人スタッフに服薬を担当させない
⑤薬の封は本人の目の前であける
⑥内服後は空袋を確認する
⑦服薬マニュアルが守られているか確認する
⑧服薬方法の見直し

上記を確実に行えていれば、お薬関連の事故は大幅に削減できると思います。逆にできていない項目が多ければ多いほど、お薬事故が起きる可能性が高くなります

やまちん
やまちん

面倒ですか?

繰り返しますが人まちがい誤薬命・信頼・職場を一瞬で奪う可能性があります

服薬介助は単なる業務の一つではありません。出来るところから始めていきましょう

最後まで読んでいただき、ありがとうございました

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