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介護施設で働いていると色々な困りごとがあるのですが、特に困るのが家族やご本人を騙して介護施設に連れてくること
そんな事があるの?
そう思われるかもしれませんが長く介護士として働いていると、そのような場面に出くわす事があります
新入居の場合はゼロから信頼関係を少しづつ築きあげていくものですが、騙して連れてきた場合は既に不信感を抱かれている状態のため、そこから信頼関係をつくりあげるのは至難の業
今回は介護士の心からの叫び『騙して介護施設に連れてこないで』をテーマにお伝えしていきます
ケース① 客相
当時いた施設ではお客様相談員、略して客相が入居希望されたご家族の対応をしていました。そして、とあるご家族の対応をしていたのが客相のNさん
施設での見学や面談を終えて入居が決まったのですが、入居当日に問題が起きる
ケアマネと一緒に受け入れをしたのですが、そこでご家族から
面談のときにNさんに髪のカットは行きつけの美容室に連れてってほしいとお願いしていて、◯日の◯時でカットとカラーの予約をしています。あと地域の麻雀サークルは毎週土曜日の10時からあるので、付き添いをお願いします |
と言われました
え!?
私がいた施設には74名の入居者さんがいて、当然ですがそこまで手厚い個別対応はできません。それに客相のNさんからは、そのような要望があったことを事前に聞いていませんでした
戸惑いつつ慎重に言葉を選びながら対応は難しいことを伝えたのですが、もちろんご家族は「話が違う!」とお怒りに・・
急いでNさんに事情を確認すると
確かに承知しました。何とかならないんですか?
・・・。ならねーよ!
てか、先に言え
施設長と一緒に謝罪し予約したカットだけは対応することにしたのですが、ご家族の不信感はMAXで過去最悪の受け入れになりました
Nさん本人は悪気はなかったのかもしれませんが、出来もしないことを出来ますと伝えるのは騙しているのと一緒だと私は思う。情報共有も含め控えめに言ってクソ相談員だなと
もうちょっと上品な言葉を使おうね
そのご家族とは信頼関係を築くのに大袈裟でなく半年くらいかかりました
でも最後には「この施設を選んで良かった」と言ってもらえたので、私としては色々な意味で印象深いご家族です
ちなみに
客相のNですが「入居してもらうまでが俺の仕事。その後のことはヨロシク」というタイプの人でした。その後も医療依存度の高い方の入居を看護師にろくに相談もせず決めてブチ切れられたり、無理な入居スケジュールを組んだりと、担当している他施設も含めて同様のことを繰り返して有名人になっていました
その客相はウンコだな
おい・・・
Point |
客相(相談員)とは密に連携をとろう
ケース② ご家族
次は家族がご本人を騙して入居させたケース
そのご家族は事前に施設への入居手続きを済ませていたのですが、ご本人は入居を頑なに拒否。入居当日になっても意志は変わりませんでした
困ったご家族は強行策に打ってでます
やめて、その先は地獄だ
「皆でドライブに行こう」とご本人を連れ出して、そのまま施設へ
そして、ご本人にウソをついて施設に連れてきたのを私たちが知ったのは、これまた受け入れのとき・・
家族は
「あとは良いように本人に伝えてください」と言い残し早々に帰宅
えぇ!?
当然ながら残されたご本人は不穏爆発。家族を探して施設中を歩き回り、食事や服薬などスタッフのお手伝いも全て拒否
このままだとご本人の安全と健康を確保できないため、ご家族に連絡して一緒にその日は泊まってもらうことに。翌日にご家族とご本人で改めて話し合いをして、渋々ではありますが入居することになりました
Point |
ご家族にも自身の生活がありますから、ご本人の納得を前に施設への入居に動き出すのは仕方のないことかもしれません。ただ、ご本人からすれば自分の知らないところで話が進んでいたら、拒否するのも当然です
可能であればショートステイなどで施設の生活を体験してみるのが一番良いかと思います
入居されている他の入居者さんを見て施設でのご自身の生活のイメージが湧けば、「新しい友達ができるかも」「こんな風に生活したい」という気持ちが生まれるかもしれません
最初のうちは慣れない集団生活で不安定になったり、生活の中で失敗されることもあります。それでも一週間くらい経つと施設の生活に慣れて穏やかに過ごされる事が往々にしてあるのです
介護士としてご本人が安心して過ごせるよう出来る限りの努力はしますが、ご家族が騙して連れてきてしまうと、ご本人からすれば介護士も騙した側の人間になる。そうすると今回のように必要なお手伝いを拒否され、特に服薬に関しては命に関わる問題となります
介護施設に対しては良いイメージを持たれていない方も多いからこそ、日頃から今後についての話し合いをしておくことが大切
最後に
入居の受け入れをしていると、自分の両親を施設に入れることに後ろめたさを感じていらっしゃる方もいます。自分の体がボロボロになるまで両親の介護を続けて、やむなく施設を選択される方もいます
ですが社会性を維持しながら新しい刺激を得るために、施設に行くことは決して悪いことではありません。施設は本人や家族にとって安心の場であり、新しい出会いも得られる場所なのですから
そしてご家族に安心して頂くためには出来ないことは出来ないと事前にしっかりお伝えする
ご本人に安心して施設で過ごして頂くためにも、日頃から今後についての話し合いを行う。ショートステイを試してみる
それが今回の経験で私が得た教訓です
最後まで読んでいただき、ありがとうございました
よかったら他の記事も読んでくれたら嬉しいです
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