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皆さんの勤務している介護施設ではセンター方式を導入・活用しているでしょうか
僕のブログでは何度か紹介してきましたが、その認知度はまだまだ低いような気がしています
ただセンター方式はうまく実用できれば認知症ケア最強のツールであると僕は思っています
この記事では
- そもそもセンター方式とは何なのか
- どんなツールで、どの場面で使用すると効果的なのか
- なぜセンター方式が広まらないのか
これらについて解説・紹介していきます
この記事を読めば明日にもセンター方式を試したくなるかも❗️
それでは、いってみましょー ( ̄^ ̄)ゞ
センター方式とは
『認知症になっても最期まで、いつでもどこでも自分らしく暮らし続けたい』
その願いを叶えるためには本人やが家族を専門職の人々が一体となって支えていく必要があります
その実現のために作られたのがセンター方式(認知症の方のためのケアマネジメントセンター方式)です
センター方式は本人と家族を中心に共通シートを使って、事実情報やお互いのアイデアを共有しながら「より良い暮らし」を一緒に目指していく方法です
この方法はケア現場で試行錯誤してきた人々の創意工夫を元に、認知症介護研究・研修センターが開発しました
センター方式では『共通の5つの視点』を重要な視点としています。『その方にとって何が大切か』を、その方に携わる全員が同じ視点で実践できることを具体的に見つけていくためです
これはスタッフ間や専門職間で視点のズレが生じやすく
見方が違う・・
方針が合わない・・
こちらの意見をわかってもらえない・・
といった現状があるためです
共通の5つの視点 ①その人らしい在り方 ②その人にとっての安心・快 ③暮らしの中での心身の力の発揮 ④その人にとっての安全・健やかさ ⑤なじみの暮らしの継続(環境・関係・生活) |
センター方式では『共通の5つの視点』をもとに方針をみんなで揃えて、支援を一緒に考え実践していくのです
センター方式シートの活かし方
センター方式のシートは下記からダウンロードすることができます
どんなシートがあるか、ぜひ確認してみてください
センター方式は日常の様々な場面で活かすことができます
①ご本人・ご家族とのコミュニケーションや情報交換のためのツール
ご本人やご家族が面と向かっては言いにくいことを、シートを渡してメモで伝えられる
ご本人やご家族が見落としやすい点を、シートをもとに一つひとつ確認できる
②日々の気づきや情報集約のためのツール
ちょっとした気づきや情報を忘れてしまわないように、シートに記入し集約できる
D-3やD-4シートは日々の記録や日誌の代用に使用できる
③専門職間の情報共有や会議に活かせる
担当者会議や事例検討会議などでシートを使うことで、事実情報や気づきを出しあえる
話し合いが迷走しないように、シートの情報を根拠にしながらご本人の視点で話し合える
④相談を受けた時の事実確認や整理・助言に活用
表面的な問題や推測にとらわれずに、シートを使って事実確認ができる
⑤認知症ケアの視点とチーム協働を学ぶための教育ツール
研修や日常の振り返りでセンター方式を活用できる
人材育成やチームづくりを一体的にすすめるために使用できる
各シートの狙い
センター方式のシートは全部で16あり、それらがA〜Eの5つの領域に分かれています
自分たちが何を知りたいのかに合わせて使うシートを見極めていきます
写メを載せておきますが見辛くて、すみません💦
A 基本情報
ご本人の基本事項や自立度等を把握し現状を確認します。そこから「現在と今後の暮らしの在り方」を探ります。同時にご本人をとりまく資源の全体と過不足を明らかにしていく
見本:A-3シート
B 暮らしの情報
自分らしく暮らしていく上で最も大切な「暮らし方」と「環境」に関する情報を過去から現在にわたって集約し、ご本人がよりよく暮らしていくための課題を明らかにします
見本:B−3シート
C 心身の情報
ご本人が困っている心身の状態の全体像を客観的に集約し、個々の状態の関連を探ります。同時にそうした状態を持ちながらご本人がどのような気持ちで今を過ごし「何を求めているか」を把握し、ご本人がよりよく暮らすための課題を本人本意の視点に立ち返って探っていく
見本:C -1-1シート
D 焦点情報
焦点を絞ってご本人のありのままの状態を詳細に把握し、ご本人が自らの力を活かして自分らしく暮らしていくための課題を明らかにします
見本:D-4シート
E 24時間アセスメントまとめシート
A〜Dで明らかになった課題を整理して、ご本人にとっての優先課題とケアの具体的内容を明らかにします
センター方式シートの記入のポイント
認知症ケア・・・
センター方式・・・
領域ごとのシート・・・
そう聞くと、すごく難しそうと感じるかもしれません
ただこれは日常的に書く生活記録の延長線上にあるものと考えてくれれば大丈夫です
記入のポイントや心構えがわかれば、そこまで記入に苦慮することはありません
①具体的に書く
その時のご本人の表情や仕草、視線、周囲の状況を見たまま聞いたまま記入します
②情報源を明らかにする
センター方式では誰からの情報なのか、情報源を明らかにするために
●(ご本人)
△(ご家族)
◯(支援者)
のマークを冒頭に入れて記入します
ご本人の言ったことはそのまま書きます。言葉になっていなくても、単語や方言でもそのまま書きます。発語がない場合は表情やご様子を記入
ご家族の言ったこともそのまま書きます。言い方を変えたりはしません
支援者(介護スタッフetc)はご本人の言ったことや、その時のご様子や表情から気づいたことを書きます。ちょっとしたことで大丈夫です( ´ ▽ ` )
③シートの項目はわかるところから
書けないところがあっても慌てない・落ち込まない♪
これから意識して情報収集すれば良いのです
その方のわからない所があることがわかったことも収穫
④きちんと書こうと頑張らない
ちょっとした情報が貴重なので、気づいた事など気軽にメモするくらいが丁度良かったりします
情報が得られたら、どんどん追加して書いていきましょう
最初から無理に全部書こうとしたりすると記入が苦痛でしかなくなります
結果、記入の内容が薄くなってしまいます
なので間違ってもいきなり16枚のシート全部使おうと思わないように❗️
発狂しますよ
⑤一人だけで書こうと抱え込まない
これはセンター方式の鉄則
そもそも1人だけでは書ききれないシートが幾つもありますし、色々な視点があってこそセンター方式は意味を持ちます
センター方式を一人でやる。ダメ、絶対
個人的オススメのシート
ここまで各シートの紹介をしてきましたが、とはいえ16枚もあったら
「どれを使ったら良いか、わからない」
と、お困りの方もいらっしゃるのでは❓
そこでセンター方式の導入のとっかかりとして私がオススメするのは『各シートの狙い』で画像をのせたB-3(私の暮らし方シート)とD-4(24時間生活変化シート)
B-3(私の暮らし方シート)は新入居の際にその方を深く知るのに役立ちます
入居前アセスメントでは聞き取りきれない色の好みや馴染みの物、得意なこと苦手なこと、信仰、排泄の習慣などなど幅広く情報を集めることができ、その方の大部分を知ったうえで関わることができるようになります
これはスタッフのみならず入居者さんの安心感にもつながります
そして「自分のことをわかってくれている」という信頼関係の早期構築にも一役買ってくれるでしょう
B-3は入居前もしくは入居時にご家族に記入をお願いして、記入して下さったらスタッフ間でそれを共有するだけ
スタッフ側の負担はほぼなく、その上でアセスメントシートではわからない情報が拾えるので始めやすいのではないでしょうか
D-4(24時間生活変化シート)はBPSDで対応に困っている方に対して有効なシートです
①毎時間ごとに本人の気分が「非常によい」〜「非常にわるい」の5つから、どのあたりにあるのか思ったところに点をつけて線で結んでいく
こうすることにより情報が集まったときに、気分の上下と時間に関連があるのかを知ることができます
②その時のご様子や場面を具体的に記入します。併せて気分に影響を与えていると考えられる事やご本人が言ったこと、スタッフの気づきを記入していきます
③最低でも1週間、長いスパンだと1ヶ月くらい記入します。それらを並べて見ることで、1日の変化パターンを発見したり気分を左右する要因が何かを探っていきます
つまりD-4シートは記入して終わりではありません
シートの記入→それを元にスタッフで話し合い要因の仮説を立てる→お手伝い方針の決定
方針が決まったら再度D-4シトを開始し、仮説が正しいかを意識しなから記録に残していくのです
PDCAサイクル
それで課題が改善していけば終了
改善されなければ仮説を立てる所からやり直します
B-3シートとは違い場合によっては数ヶ月くらいのスパンで取り組んでいくこととなります
センター方式のデメリット
続いてはセンター方式のデメリットについて解説していきます
①記録が負担
D-4シートの説明で感じたかもしれませんが、記録に多くの時間を要します
たぶん、これがセンター方式が浸透しない一番の理由だと僕は思います
普段の生活記録+αになりますから、導入当初は残業の原因になってしまうかもしれません
B-3のように気軽に始められるシートもありますけどね😅
②一人ではできない
センター方式のほぼ全てのシートが自分一人で完成させることができません
つまり周りのスタッフや専門職の方々の協力が必要不可欠
センター方式をやる目的を共有し、シートを使う事でどうゆうメリットがあるのかを理解してもらわないと、やらされている感が強くなります
そうなると記録が適当になったり、記入してくれないなんてことが起こり挫折することになったり・・
他のスタッフや専門職をいかに上手く巻き込むかがセンター方式の活用のカギとなります
最後に
記録をすることは時間がかかり一見遠回りなようで、実は近道だったりします
センター方式を活用することで様々なことに気づき再発見もできます
何事も最初の一歩が大変
まずは1枚だけでも始めてみてはいかがでしょうか
最後まで読んでいただき、ありがとうございました
良かったら他の記事も読んでくれたら嬉しいです
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