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少し昔のニュースになりますが厚生労働省の「雇用動向調査」によると、2022年の介護分野の就労者は−1.6%で、人数にすると約6.3万人減少したことになるそうです。詳しくはコチラから
僕はつい最近このことを知ったのですが、ショックはありつつも「そりゃ、そうだよな」と妙に納得してしまいました
とはいえ
今後は介護を必要とする高齢者が確実に増えていくというのに、肝心の介護士のなり手が増えるどころか減っているというのは非常事態です
今回は
・介護士が介護業界から離れる理由 ・介護士の給料はアップしない!? ・10年後の中核人材の不足 ・人手不足問題の対策 |
これらについて考えていきたいと思います
皆さんは介護人材を増やすためには、何をしていくべきと考えますか?
AI chatで『介護士が介護から離れる理由』を聞いてみた
介護就労者がマイナスになったという事実が悲しすぎてAI chatで「何で介護士が介護から離れるのか」を聞いてみました
その理由は主に5つ
①労働環境の悪化 ②低賃金 ③感情的負荷の高さ ④キャリアアップ機会の不足 ⑤社会的評価の低さ |
①労働環境の悪化
過重労働や長時間労働など、労働環境の悪化が介護士の疲労やストレスを引き起こし、介護から離れる要因となっています
人手不足の悪化で業務の負担は今後ますます増えそう・・
②低賃金
介護士の給与水準の低さは、やりがいや責任感をもって仕事に取り組む人々にとって大きな負担となり、他の高収入の職種へ転職するきっかけとなっている
ほんと、それ
③感情的負荷の高さ
介護士は日々高齢者と向き合いながら、その生活全般の支援を行います。そのため感情的負荷が非常に高いと感じることがあり、心身の健康を損なうリスクがあります
介護は感情労働で鬱になりやすいから気をつけなきゃ
介護職とうつ病についてはコチラの記事も良かったら見てください
④キャリアアップ機会の不足
介護業界におけるキャリアアップやスキルアップの機会が不十分であることで、やり甲斐や成長を感じる機会を見出しにくくなり、他の職業への転職を検討することがあります
専門知識や技術が評価される業界になってほしいね
⑤社会的評価の低さ
介護職が持つ尊重すべき立場や重要性が社会的に適切に評価されないことで、介護士のモチベーションや意欲を下げ職を離れる要因となっています
底辺の職業ランキングに選ばれたりもしたしね
底辺の職業ランキングについてはコチラから
介護職の給料アップは期待できない!?
上記にもありましたが介護職の人手不足の原因として真っ先にあげられるのが給料の低さ
これについては昔から問題視されていて、2021年だと介護職の平均年収は約357万円で全産業平均の約433万円より80万円ほど少ないです
処遇改善加算などにより以前と比べれば差は縮まっているとはいえ、まだまだ足りていないのが現状
じゃあ、給料あげればいいじゃん
そうだ、そうだ。給料あげろ
10倍にしろ!
そう思われるかもしれませんが簡単な話ではありません
それより今ヤバい奴いなかった?
なぜなら介護職の賃金は介護保険料と公費によって賄われるためです
介護職の給料アップは利用者の負担が増えることとイコールします
それに日本の景気が今どんどん良くなっていく未来も期待できないから、税金でどうこうするのも難しいでしょう
つまり今後ますます介護士の需要は高まる一方で、劇的な給料アップは望めないというのが僕の考えです
この予想が外れたら外れたで嬉しいですけどね
介護業界では「10年後を担う中核人材がいない!?」
『10年後にサービス運営の中核を担っていく人材の適任の候補はいるか?』
全国の特養・介護付きホーム・訪問介護・通所介護の801事業所・施設を対象に厚生労働省が行った調査によると、全体では
適任者がいる | 15.4% |
ある程度の適任者はいる | 57.7% |
適任者がいない | 27.0% |
「適任者がいない」の内訳は
施設 | 22.5% |
訪問 | 33.9% |
通所 | 26.3% |
全体の4分の1を超える27%が適任者がおらず、特に訪問介護の人材不足が際立つ結果となっています
この調査は2024年1月〜2月にかけて行われたものなので、もし来年も同じ調査をすれば訪問は基本報酬の引き下げによる影響でさらに数字が悪化しているかもしれません
そして中核人材=管理者やリーダーを担える人がいないというのは、それくらい優秀な人は儲けることが難しい介護業界を選ばないという裏返しなのかも
介護の仕事はやり甲斐があります。けれど、やり甲斐だけじゃ食っていけないんですよ
介護施設の人手不足の対策
僕が今いる有料老人ホームにおいても慢性的な人手不足で、カイテクを利用して何とかしのいでいます
その前にいた老健も1年ちょっとで入社したのは2〜3名で、それ以上のスタッフが退職していきました
全然スタッフが入ってこないから「採用は何をやってるんだ」と思うこともありましたが、就労者自体が減っているので当然っちゃ当然ですね
ここ数年で僕自身が感じたことは人材会社に丸投げしてるだけでは人はこないということ
ここからは人手不足の対策を考えていきたいと思います
①自前で人材を獲得する
ここで紹介したいのがビジョナリーという会社
介護業界の平均年齢は45.9歳にも関わらず、ビジョナリーの介護スタッフの平均年齢は29歳。男女比も男性7割で女性3割と一般の介護施設とは真逆の構成になっています
特筆すべきは社員数も20人から5年後には約150人に増えているということ
人手不足?何それ状態だね
そんなビジョナリーの代名詞がフィットネス実業団。マッチョ介護と呼ばれる由縁です
この実業団の待遇がスゴくて
- ジム、マッサージが無料
- 2時間の筋トレは勤務扱い
- サプリメント代2万円支給
- 大会費用は会社持ち
これらの取り組みで介護とマッチョを結びつけることに成功したのです。ユニークな取り組みから様々なメディアでも取り上げられて宣伝効果も抜群で相乗効果になっています
考えてみるとマッチョと介護の相性もいい
このようにターゲットを絞って福利厚生を考えるのは良い模範になりますね
②SNSを活用する
インスタやブログやX(Twitter)などのSNSを活用することは介護施設においても今後マストになると僕は思う
待っていても人は来ない。だからこそ今後は施設側から積極的に知ってもらう努力が必要
介護就労者が減ってるからにはビジョナリーのように『ポテンシャルはあるけど介護に興味がなかった人』をいかに引き込めるかが重要で、そのためにはSNSがうってつけ
今はブログやXで施設の日常を発信しているところも増えてきていますよね
先ほど紹介したビジョナリーはSNSを介した入社の問い合わせが年間で300件程度あるらしいですよ
SNS恐るべし!
個人的には施設の日常だけでなく、どんなスタッフが働いているか紹介していくのも良いんじゃないかなと。給与や福利厚生もだけど、介護施設で一番大事なのは人間関係
どんなスタッフが働いているのかは転職希望者なら皆んな知りたいんじゃないでしょうか
あとは入社歴の浅いスタッフに施設の魅力を聞いてみるのも面白いかもしれません。歴の長いスタッフだと当たり前に感じていることでも、意外と売りになることが見つかるかも
この記事では僕が今いる施設の自慢を紹介してるのですが、人によって何に魅力を感じるかは違いますから
ちょっとでも売りになりそうなことはどんどん発信していかないともったいない
あ、ちなみにその記事で書き忘れたのですがウチの施設はユニフォームが上下5枚配布されて、洗濯は業者がやってくれます
良くないですか?
③副業OK
介護士の年収は全産業平均と比べても低い
なのにも関わらず副業を禁止している介護施設は多く、逆に奨励している施設はホント少ない。これっておかしくないですか!?
国自体が副業をすすめているし、そもそも十分な給料がもらえないから副業を考えてるワケですから。他の産業では副業は当たり前になってきていますから、介護業界もその波に乗ってほしいですね
「労働時間の管理・把握が困難だから」という理由でいつまでも禁止にしていたら、気付いた時には手遅れになっているかも・・。人手不足が理由で廃業になる事業所も増えていますから
従業員の生活を考えているのであれば副業を禁止にするのはナンセンス
そして逆に副業をOKにすれば、それもまた今なら施設の売りになりそう
最後に
介護業界は深刻な人手不足に陥っていますが、だからといって誰でもかんでも採用するというのは僕は反対です
人柄やコミュニケーションに難がある人だとハッキリ言って施設にとって癌みたいなもの。そのスタッフが原因で退職者を招く結果になりかねません
僕が今いる職場では時々面接に来る方がいるそうですが、人柄などがマッチせず採用に至っていないそうです。「誰でもいいから来てくれ!」というのが今の職場の現状ではありますが、今後もブレずに厳選していってほしい
過去に僕は明らかに介護向きじゃない上にプライドだけは高い中途が入社してきた経験があって、その人は毎日フロアでメダパニやパルプンテを乱発して大混乱を引き起こしていました
何そのドラクエの呪文ガチャ
人は増えたけど、いなかった時のほうが物事がスムーズに進んでたんじゃね状態。周りのスタッフもイライラして雰囲気最悪。ぶっちゃけ辞めてほしいけど日本の正社員は簡単にはクビに出来ないというジレンマ
そんな経験があるから人手不足で苦しくても誰彼かまわず採用するのだけはやめてほしい
僕が改めて言いたいことは採用担当や人材会社任せにしていては介護施設に人は集まってこない。施設の魅力を皆で見つけ築りあげ様々な媒体で発信することが大事だということ
皆さんは介護就労者を増やすためには、どのような対策が必要だと思いますか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました
よかったら他の記事も読んでくれたら嬉しいです
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