東日本大震災から12年が経ちました
お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます
12年が経ったとはいえ当時の記憶は未だに鮮明に残っています
今回は私が当時いた介護施設での出来事と私事について
※この記事では内容に広告・プロモーションを含みます
プロローグ
私の妻は宮城県の登米市出身で毎年夏には家族みんなで帰省して、石巻や気仙沼や松島など色々なところに連れてってもらいました
あとはプチ新婚旅行で山形にも行ったことがあります
そんな感じで東北にはちょっと縁があるのですが、そんな時に震災は起こりました
3.11当日
当時の私は有料老人ホーム(横浜)に勤めていました
その日は早番で勤務も終わりにさしかかった時に地震が発生
4階のフロアにいたこともあり尋常ではない揺れがしばらく続きました
地震が収まってからはすぐにスタッフみんなで入居者さんの安否確認
幸い居室にいた入居者さんにケガはなかったのですが、フロアにある浴槽で入浴されていた入居者さんが出られなくなっていました
リフトを使って入浴するのですが、地震で停電してしまったことにより作動しなくなっていたのです
スタッフ3名がかりで抱え上げて浴槽から出したのですが、体調に変わりはなく一安心
そして
停電によりナースコールやセンサーマットも作動しないため、入居者さん全員をダイニングに誘導
TVは当然つかないため入居者さんが持っていたラジオから東北で大規模な震災が起きていることを知りました
宮城にいる家族の顔が頭に浮かび、すぐにでも勤務を終えたかった
とはいえフロアの対応でバタバタ・・
停電の長期化に備えた準備が必要だったのですが、当時の私には何をすれば良いのかわからなかったです
先輩スタッフの指示で準備をして落ち着いたタイミングで1Fの事務所に行くと、受付さんから入居者さんとスタッフがエレベーターに閉じ込められていることを知りました
業者にはその時点で連絡済みでしたが、来たのはそれから数時間後のこと
また玄関の電子ロックも当然作動しないので、入居者さんが出て行かないようにスタッフを配置
私の施設で起きた出来事をまとめると
①停電でナースコールやセンサーマットが使えなくなる ②入浴のリフトも作動しなくなり、入居者さんが浴槽から出られなくなる ③TVもつかないので、情報源は入居者さんのラジオ ④エレベーターに入居者さんとスタッフが閉じ込められる ⑤玄関の電子ロックも作動せず、スタッフを配置 |
勤務を終えるとすぐに帰宅
妻と当時1歳の娘は無事でしたが、宮城の家族とは連絡しても繋がらない状態。夜中に停電が直りTVをつけると東北の悲惨な状況を知ることに・・
宮城の家族と連絡が取れて無事を確認できたのは、それから2日後でした
震災から2ヶ月後
私が当時いた施設の会社は仙台でも3施設を運営していました
とある日
その施設にヘルプに行ってくれるスタッフを募集している旨の発信があったのです
3施設とも出勤が困難なスタッフがいたり疲弊していて、まとまった休みを取れるよう1ヶ月前から関東のホームからヘルプを送っているとのことでした
その話を聞いてからすぐに施設長に
行きたいです!
と直訴
施設長からは了承もらえたけど、今思い返すと当時まだ介護士としては4年目で、その施設で働き出して半年くらいだったので「よくOKもらえたな」と思う
そして約10日間ヘルプに行くことが決まりました
初日
当日は東京で合流して現在の施設状況の報告を受けてから車で仙台へ出発
仙台市内はそこまで目に見えた被害はありませんでしたが、一歩外に出ると言葉では言い表せられない光景が広がっていました
TVでどのような状況になっているか見てきました・・
仙台市外がどのような状況になっているかお義父さんから話を聞いていました・・
それでも実際にこの目で見るのとでは全然違う
あまりに変わり果てた姿に涙が止まらなかったです
ーその日の夜は交代となるヘルプの方からの引き継ぎー
主にはどのような業務を行なっていて、どんな入居者さんがいらっしゃるかなどです
そして
ヘルプをした感想を一人ひとり言うことになったのですが、その中にいた男女のスタッフが付き合うことになったことを皆がいるその場で嬉しそうに報告
本当に信じられなかったです
色々とありえない
お前ら何しに来たんだって思ったし、そんな軽い気持ちでここにいるのかと幻滅した
2日目〜
担当ホームで勤務開始。私が行ったのは宮城野区鶴ヶ谷にあるホームです
そこでの主な業務は
- 排泄及び食事介助
- 爪切りなどの整容
- 散歩などのレクリエーション
OJTをしてもらう余裕なんてありませんから、基本的には業務スケジュールや入居者さんの情報が記載されている紙を見てお手伝いをすることになります
ただ今回のヘルプで大変だったのはそんなことではなく、方言です
スタッフは割と標準語で話してくれていたので大丈夫でしたが、問題は入居者さん
早口でのずーずー弁は本当に何を言っているのかがわからない💦💦
その度にスタッフを呼んで訳してもらうことになり「返って仕事を増やしてないか?」と申し訳なくなりました
そのスタッフさん達ですが休憩中は今後の不安を話したりと暗い雰囲気ではありましたが、ひとたびフロアに出ると入居者さんに明るく笑顔で対応されていて感動しました
自分がその立場だったら果して笑顔で対応できるか自信がない
みんなプロの介護士
また10日間の勤務中、何度か直下型の地震があった
直下型の下から突き上げるような「ドン!!」とくる地震は経験したことがないこともあってか、恐さは横揺れの比じゃないです
私は10日間だけでしたが、そこで働いている方々は震災当日からずっとそんな状況で働いている
親戚が亡くなられた方もいらっしゃいました
家が被害にあった方もいらっしゃいました
それでも施設に来て働いていました
そのホームの施設長も震災が起きてから、ほとんど休みなく働いていました
震災が起きてから2ヶ月が経っていましたが施設は過酷な状況だったのです
そして10日間のヘルプはあっという間に終わりました
最終日に仲良くなったスタッフさんから言われたことがあります
「TVを見てるとさ、そっち(関東)では何でもかんでも自粛ムードになってるけれど、こっちの人たちはそんなことは求めていない。普段通りに過ごせばいいのよ」
皆がみんな同じ意見じゃないのかもしれないけれど、その言葉が強く印象に残っています
最後に
私が当時いた有料老人ホームは関東・東北以外に関西でも施設運営をしています。今回のような災害があった時に助け合いができるのは心強いなと感じました
また、その時に備えてヘルプで来てくれたスタッフが困らないよう、業務スケジュールや入居者さんの情報をまめに更新することが大切だなとも思いました
あとは避難訓練など毎年どの施設でもやっていると思いますが、いかに臨場感をもって訓練できるかで、いざという時に迅速に動けるかが決まるのかもしれません
今後、日本では南海トラフ巨大地震や首都直下地震が20年以内に起きると言われています
停電の時など、誰がどのような行動をするのか
用意すべき物品は何で、それがどこにあるのか
ナースコールやセンサーマット、エレベーターが使えない時はどうするのか
形式だけの訓練で終わらせないようにすることが今回の教訓です
最後まで読んでいただき、ありがとうございました
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