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介護に関する本の紹介企画の第14弾
今回紹介するのは
早坂聡久さんが編集代表の『チェックリストと事例でわかる!介護施設の災害・感染症対応』です
東日本大震災・・
熊本豪雨災害・・
能登半島地震・・
毎年のように発生する大規模災害
そして今後30年以内に首都直下地震・南海トラフ地震が70%の確率で起きると言われています
介護施設では災害時訓練を毎年行っていますが、年1〜2回程度の訓練で万が一の時に果たして迅速かつ正確に行動できるのか
災害時訓練も職員全員が参加するわけじゃないし
地震大国である日本に住んでいる以上、僕たち介護士は日頃からどのように向き合い、どのように備え、いざと言う時にどのように行動すればいいのかを自ら学ぶ姿勢が大切なのかもしれません
そんな思いで手にしたのが今回の著書
チェックリストと事例があり現場で活かせるんじゃないかなと思い購入しました
『チェックリストと事例でわかる!介護施設の災害・感染症対応』の特徴と読んだ感想
著書の発行は2021年4月5日
出版は株式会社ぎょうせいで定価は2300円+税
全219ページ
本の構成は
第1章 介護施設の利用者を災害から守るために 第2章 東日本大震災での被災と復興への取り組み 第3章 豪雨被害への備え 第4章 DWAT・DCATの実践と課題 第5章 事業継続計画(BCP)の策定の必要性 第6章 利用者と職員を守る施設づくりについて 第7章 介護施設の感染症対策のための体制整備について 第8章 コロナ禍の施設に求められる変革 |
ネット注文して届いた著書の目次を見た瞬間に思ったことは
ヤバい、難しそう・・。
知らない単語がいっぱいある
著書には表や写真が掲載されてはいるのですが、全体的に文章の羅列が続いているため、パッと見は論文のよう
「これは読むのが大変そう」と思ったのですが、意外とスラスラ読めました。たぶんそれは災害当時の状況や教訓に自分が感情移入して引き込まれたからかもしれません
熊本豪雨災害においては特別養護老人ホームで14名の入所者が亡くなられました。この被災で明らかになった課題の一つに
施設利用者を外部の避難先に誘導する訓練までは、実施していなかった
とありましたが、そこまで本格的に訓練している施設が全国にどれだけあるのだろう
職員だけで訓練して、入所者を交えた訓練ですら出来てない施設も多いのではないでしょうか
また東日本大震災において海から500Mしか離れていない認知症デイサービスでは、全員が避難して無事でした。「地震が来たら津波が来ると思え、山に逃げろ」と、普段から言い聞かされていたそうです
そして地震から10分足らずで避難
この施設では今までも津波注意報が発令されるたびに避難してきたそうです。その都度職員で話し合いをし、シミュレーションを重ねたことが結果につながったのだと思う
日頃から強い意識を持っていたからこそ、想定外の出来事も想定内になっており、即座に行動できたのです
とある利用者さんがトイレに籠ることまで想定して、「担ぎ上げてでも出して逃げる」ことまで職員間で確認し、震災当日は実際に担いで避難したのだとか・・
当たり前だけど
避難訓練は業務的に行うのではなく、本番を想定する
有事の際は無駄と思わず勇気をもって避難する
ことが大事であることを著書から改めて学びました
南海トラフでは地震から津波がくるまでの時間が5分とも言われています。限られた時間のなかで何をすべきかをスタッフ全員が理解するためには、年年1〜2回の訓練だけでは到底足りない
著書の事例を読んでると自分がいた施設では出来ていないことだらけで、過去の震災から学べていないことを痛感しました。それに地方は横の繋がりが強くて助け合ったりできるけど、都市部はどうなんだろうと思ってしまう
あと肝心のチェックリストですが避難確保計画・避難訓練とで分かれており、訓練の際や施設での会議の場で役立つ仕様になっていました
印象に残ったフレーズ
事前に認知症であることを地域に知らせていた家庭(地域支援マップに掲載)にはいち早く地域住民や介護事業所の職員が助けにきたが、認知症という病を近隣に隠していた家庭には誰も誰も駆けつけることなく津波に飲み込まれた
災害時の備えの最も大切な役割は、必ず全員が安全な場所まで避難するという強い意志を持ち、そのためには綿密な計画と訓練を繰り返すということである。また、災害リスクの低い施設・事業所はいち早く受け入れ準備に取り掛かる。双方がこれを怠ると天災ではなく人災になるという意識を持たなければならない。災害時医療にはトリアージという価値観があるが、それとは一線を画す、全員の生命を守りぬくことが福祉施設・事業所の最大の役割である
福祉専門職は、災害時の混乱と絶望のなか、生活の継続性がままならない状態であるが、「支援するもの」「支援されるもの」という関係性ではなく、「暮らし」にさりげなく入り込みながら、被災者が主体的に自分で暮らしを取り戻そうとする意欲を支援し続けることが可能である
福祉事業者は利用者や職員の安全に配慮する義務『安全配慮義務』を負っており、災害時も新型感染症でも同様に災害による被害を受けないように、また、感染症であればかからないように配慮する義務が課せられています。その上で訴訟のポイントは『予見可能性』となります。『予見可能性』とは予め予測できたかということですが、災害でいうとハザードマップ上で施設が津波の浸水や土砂災害の危険区域にあることが明記されていればそれらが起きることが『予見可能』となります
最後に
普段から内容のある避難訓練を継続的に行うことで、いざという時に役に立つ
業務時間の合間に、その日いるメンバーだけで、1時間程度やったくらいじゃ本番で正確な行動をするのは不可能でしょう
とはいえ
入所者が50名を超えるような施設で、避難先まで移動する訓練を実施する姿が想像つかない。その日の入浴介助もままならない施設も多いなか、そこまでの規模の避難訓練を果たしてできるのか
避難先までの訓練をしている施設があれば、どのように行っているか教えてほしいのでコメントをぜひお願いします
著書の事例や課題を読むことで今までよりワンランク上の備えが期待できます
ただ、それをするかしないかはあなた次第
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。よかったら他の記事も読んでくれたら嬉しいです
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